この数日、ビットコインの価格が今年3月に記録した過去最高の73,835ドルに達しようとしています。日本円では、昨日ついに1,128万円に達し、市場最高値を更新しました。
画像出所:Bitflyer
ですが、日本では衆議院選挙後の政権や今後の政策が話題の中心となっており、このニュースはほとんど報じられていません。さらに、ここ数年は仮想通貨に関連した詐欺や取引所のハッキングなど、悪いニュースが多く取り上げられてきたため、「ビットコインへの投資はギャンブルだし危ない」と感じる方も多いかもしれません。
暗号資産になじみのない人にとっては、「ビットコインの価格が過去最高値に近づいている」というニュースも、「またギャンブルが始まった」というくらいの印象しかないかもしれません。
なぜ、ビットコインの値段が上がっているのでしょうか?いろいろな説明があるかと思いますが、私は、ビットコインの技術が世界の人々が必要としていて、需要が高まっているからと考えています。
皆さんは、実際にビットコインをデジタルのウォレットに入れて持ったことがありますか?私の周りでは、「ビットコインは知っているけど持ったことがない」という人が多い印象です。
私自身も2016年くらいまでは「ビットコインなんてSuicaみたいなものだろう」と思っていました。しかし、そこから考え方が変わり、「なぜビットコインはそんなにすごいのか」を理解するようになりました。その理由を、自分なりに整理してみます。
ビットコインは、現金以外で「誰にも頼らずに」お金を送れる、世界初の仕組みです。コンピューターやスマホとインターネットがあれば、どこにいても世界中の誰とでもお金をやり取りできるのです。これがなぜ驚異的か、具体的に考えてみましょう。
例えば、皆さんが現金以外でお金を支払うときは、銀行送金やクレジットカード、SuicaやPayPayを使うことが多いと思います。これらのサービスは、すべて銀行や企業によって運営されています。つまり、私たちはその銀行や企業に「頼って」お金を支払っているわけです。ビットコインが生まれるまでは、誰にも頼らずにお金を渡せる手段は、現金(お札やコイン)しかありませんでした。
また、例えば日本に住む外国人が、母国にいる家族にお金を送りたいと思ったとき、銀行を使わずに送金する方法はほとんどありませんでした。もし銀行を使わずに送るなら、母国の家族に送る荷物の中に現金(それも米ドルのお札)を忍ばせるくらいしか手段がなかったのです。
「誰にも頼らない仕組み」がなぜこれほど重要なのでしょうか。それは、私たちが日常的に頼っている銀行やクレジットカード会社が、政府や公共機関ではなく、利益を目的とした企業だからです。銀行は手数料を取りますし、銀行サービスの提供を拒否されることもあります(国からライセンスをもらっているのに!)。最近では、会社を設立した後に、会社の銀行口座を作ろうとしても、何の説明も無く断られることも珍しくありません。
また、もし銀行のATMが突然停止したらどうしますか?みずほ銀行は2021年にわずか1年で11回もシステム障害を起こしました。実は、2002年や2011年にも大規模なトラブルを起こしており、10年ごとに問題が発生しています。こうした銀行のトラブルは、利用者に大きな不便をもたらします。さらに、私たちが頼っている銀行や企業は、個人情報を漏えいしてしまうこともあります。
企業や銀行がどんどん大きくなる一方で、問題が起こると被害の規模も巨大化します。リーマンショックの例がわかりやすいでしょう。アメリカの大手金融機関、リーマン・ブラザーズが破綻したことで、世界中が深刻な不況に陥りました。
極端なことを言うと、日本円の現金も政府や日本銀行に頼って、使っているのです。日本は昔は世界第二位の経済大国でしたが、今はそうではありません。高齢化もすすんで、昔のように元気がありません。最近は、円安が進んでいるし、物価もどんどんあがっています。あまり想像はしたくありませんが、今後、政府や日本銀行に頼れない日が来るかもしれません。
一方で、ビットコインは2009年の誕生以来、「誰にも頼らず」に運用されています。ビットコイン銀行もビットコイン株式会社も存在せず、ただインターネット上のプログラムとして動いているだけです。それが15年以上にわたって何の障害もなく稼働しているのは驚異的です。
しかし、ビットコインは「お金」として完璧ではありません。例えば、今ビットコイン建てで商売をしている人はほとんどいません。毎回、「日本円で1,000円は0.00009058BTC」というふうに計算しなければならず、1日のうちに価格が5%も上下することがあります。こうした値動きの激しさのせいで、ビットコインを使って取引をするのは簡単ではありません。
日本円も毎日価値が変動していますが、今日100円のものが明日101円になることはほとんどありません。一方で、ビットコイン建てで商売をしている人がいないので、今日0.001BTCで買えるものが、明日には0.001BTCでは買えない、ということがしょっちゅうおきています。これではまだまだ使えるお金にはなりません。それでも、将来、ビットコインが安定し、今日と同じ価値で明日も取引できる時代が来ることを、私たちは信じています。
ビットコインは誰でも使えるので、犯罪者も利用できます。実際、麻薬取引などに使われることがあります。今後は、犯罪に使われるのを防ぐための仕組みを構築することも大きな課題です。
昔の電子メールは、今と比べてとても不便でした。モデムで「ピ~ヒョロ~」という音を聞きながら接続していた時代を覚えている人もいるでしょう。しかし、技術が進歩して今はスマホで簡単にメッセージが送れるようになりました。ビットコインも、今後技術が進化し、もっと便利で安全な送金手段になると私たちは信じています。
インターネットのモデム
コロナ禍以降、遠くの人とオンラインでミーティングをすることが普通になりました。東京から飛行機で4時間かかる香港からでも、日本にいるお客様と当たり前のように会議ができるようになりました。コロナ禍の前では考えられなかったことです。それと同じように、ビットコインで日本にいる人と外国にいる人が普通にお金をやりとりする時代がこれから来るでしょう。
ビットコインは、世界で初めて、そして今でも、おそらく唯一の、「誰にも頼らない」でお金を遠くの人に送る仕組みです。ビットコインを持とうと思ったら、まずはウォレット(財布)をインストールしてください(日本語完全対応のウォレットの一つがこちら)。皆さんの手元のスマートフォンに、数回のクリックで、ビットコインを持つ財布を持つことが出来ます。
もしこの文章を読んで、関心を持ってくれたら、ビットコインの財布のアドレス(電子メールのアドレスみたいなもの)を私たちに教えてください。ビットコインの一番小さい単位の0.00000001BTC(今日のレートで0.11円)を、東京から約2,900 km離れた香港から、「誰も頼らない」で、送金して、プレゼントします。
私たち「希合KYGO(きごう)」は、ビットコインが世界で使われる日が来ることを信じて、その未来に少しでも貢献していきたいと考えています。