(写真:ウルグアイの首都モンテビデオの象徴、サルボ宮殿)
ここまで、ウルグアイという小国が、どのように自国を守ってきたのかを見てきました。
社会保障(年金・健康保険)への信頼。
日常の買い物はペソ、資産(不動産、自動車など)はドルという通貨の使い分け。
外貨取引を無理に縛らず、牛肉やITなどの輸出で外貨を稼ぐ政府の戦略。
そして、国外に出た人材も単なる「頭脳流出」として終わらせず、外側に広がったネットワークとして活用しようとする政策。
ウルグアイに滞在して私が強く感じたのは、
「国を信頼しつつも、国に完全には頼らない。信用を積み上げ、自分たちでしっかり稼ぐ。」
というごく当たり前のことが大事だということです。
どんなに素晴らしい国であっても、時代が変わればシステムが揺らぐことがあります。
それは、アルゼンチンの危機や2002年の金融危機を経験したウルグアイの歴史が示しています。
その現実を痛みとともに学んできたからこそ、ウルグアイの人々は「日常の買い物はペソ、資産はドル」という二段構えの生活を、当たり前のように送っているのです。
ウルグアイの旅でもらったヒント
私は香港に住みながら、毎月のように日本に行きます。
日本の治安、清潔さ、礼儀、公共交通機関、食事。
海外に住んでいるからこそ、日本の良さを改めて感じます。
香港人で日本への旅行者数は、最近では年間延べ300万人を超え、私の周りの、香港に住む香港人やその他の外国人の中には年に数回日本に行く人が数多くいます。そういう人たちの口からも、日本の魅力について耳にすることも多くあります。中には日本に住みたいと話す人もいます。それだけ日本は「住みやすい国」であることは間違いありません。
一方で、海外に住んでいるからこそ、日本だけに依存することのリスクも感じます。
少子高齢化の中で社会保障(年金・医療)の仕組みを維持できるのか?
貧富の差が拡大していく中で、今の治安を保ち続けられるのか?
日本の政府債務は増え続ける中で、いつか猛烈なインフレが起きる可能性はないのか?
ウルグアイへの旅は、こういう疑問に対するヒントをもらったような感じます。
制度を信頼しつつも、個人は米ドルで資産を守る。
政府は自由な外貨取引を認めながら、牛肉やITの付加価値を高め、外貨を稼ぐ産業を育てる。
さらに、海外にいる人材も国内の発展につなげようとする。
なぜ、エルサルバドルで日本の選挙の投票をしたくなったのか?
こういう小国ウルグアイの姿を旅を通じて体感したからこそ、「日本という泥船から一刻も早く逃げ出そう」というような考え方ではなく、海外にいながらでも、積極的に日本に関わっていくことが大事だと思うようになりました。
だからこそ、エルサルバドルに着いたとき、「選挙で投票したい」と強く思うようになったのかもしれません。
かつて、在外投票の仕組みを辛抱強く訴えかけ、勝ち取ってくれた先人たちがいました。
その人たちも、海外にいながら日本に関わり続けたいという強い思いを持っていたのだと思います。
私も、そうした先人たちと同じように、「どこにいても日本と関わり続ける日本人」でありたいと思います。
では、この考え方を、個人の資産や居住地の設計に落とし込むと、何ができるのでしょうか。
ウルグアイ人は、「日常はペソ、資産はドル」という二段構えで、自分たちの生活と資産を守っています。
私たちも同じように、一つの国、一つの通貨、一つの居住地だけに依存しない設計を考えることができます。それが私たち希合KYGOが訴える、「三位一体の資産防衛」です。
次回、最終回では、こうした「ウルグアイの知恵」にも通じる「三位一体の資産防衛」についてお話しします。