(写真:青空が美しいエルサルバドルの街並み。町にはアメリカ資本の広告や看板があふれる。)
2026年の1月~2月にかけて、ウルグアイ~ブラジル~コロンビア~エルサルバドルを出張する機会がありました。ウルグアイの首都モンテビデオに約10日間、そこから、サンパウロ(ブラジル)とボゴタ(コロンビア)を経て、エルサルバドルに4日滞在をしました。
エルサルバドルは、2021年に世界で初めてビットコインを法定通貨に採用した国として知られました。今回私がこの国を訪れたのは、そのエルサルバドルで開催された、ビットコインの国際会議「Plan B Forum」に参加するためでした。

(写真:エルサルバドルで開催されたPlan B Forum)
普段私たちが使う日本円や米ドルは、国・政府や中央銀行が発行に深く関与しますが、ビットコインはそれらとは真逆の、国・政府や中央銀行のような発行主体の存在しない「インターネット上のお金」です。
2019年に大統領に就任したナジブ・ブケレ氏(現大統領、2019年~現在)は、この国・政府に依存しない「インターネット上のお金」であるビットコインを世界で初めて法定通貨に採用しました。
国・政府が発行に関わらないお金を、国家が採用する、という一見矛盾する政策には背景があります。
自国の通貨を捨て、米ドルが流通するエルサルバドル
エルサルバドルは2001年に自国通貨コロンを捨てて米ドルを導入し、今やスーパーの買い物もすべて米ドルです。
ブケレ大統領がビットコインという「実験」に踏み切ったのは、国の限界を認め、通貨のコントロールを米国(米ドル)に委ねざるを得ないという「諦め」と、だからこそ国家の枠組みに依存しない新しい決済手段に賭けたいという「挑戦」が同居しているように感じました。

(写真:米ドルで表示されている、エルサルバドルのスーパーマーケットの値札)
エルサルバドルで、衆議院議員選挙に投票
そんなエルサルバドルにいながら、私は日本の衆議院議員選挙の在外投票を行いました。

(写真:駐エルサルバドル日本大使館が入るビル)
ウルグアイからエルサルバドルまで、日本語を話す機会が少なかったこともあり、大使館で日本語のやり取りをした時はどこかホッとした気持ちになりました。
在外投票を担当している大使館の方に
「観光でいらっしゃったのですか?」
と聞かれたのに対して、
「ビットコインの世界は、大使館の皆様が代表をされているような「国」とか、日本銀行が発行する「日本円」とは真逆の世界のお金ですが、今後、インフレでお金の価値が減ることに人々が対抗していくための資産になっていくと信じてます!」
という感じで、大使館員に対してついつい熱弁をふるってしまいました。

(写真:エルサルバドルで使った在外投票用紙を入れる封書)
私は外国に30年間近く住み、国際金融・海外での資産管理の仕事をし、今では国・政府からの支配を受けないビットコインの採掘をしています。
住む場所や仕事では、できるだけ日本という国・政府や政治とは真逆の世界にどんどん引き込まれていったと言えます。
正直、南米に発つ前は、海外からでも日本の国政選挙に投票ができる、在外公館投票に関心はあまりありませんでした。海外にこれだけ長く住みながら、大使館・領事館で日本の選挙に投票をするのは2回目です。
南米に滞在中に衆議院議員選挙の日程は発表されのですが、政治からは距離をおいてきた私が「南米のどこにいても投票をするぞ」と強く思い、たまたま在外公館投票証を持参していたので、エルサルバドルで投票をすることができました。
なぜ、投票をしようと強く思ったのか?
南米に旅をしていなかったら、ここまで投票をしたいと思うことはなかったかもしれません。
ウルグアイでは、警察官の姿をほとんど見ないにもかかわらず、驚くほど安心して街を歩くことができました。
一方、ブラジルのサンパウロでは、目抜き通りに100メートルおきに武装警官が立っていました。
同じ南米でも、国によってここまで違う。
なぜその差が生まれるのか。
次回から、ウルグアイ〜ブラジル〜コロンビア〜エルサルバドルで私が考えたことをお話ししたいと思います。